前に続く道をとりあえず選び、そのまま歩いていく。
いつのまにかあたりは明るさを増し、木々の下草には可愛らしい花までが咲いている。
けれどいずれも見たこともない、また記憶に残せばなにか不穏な事が起きそうな、そんな形をした花だった。
次第に空気が変わっていくのを感じ始めた頃、水の匂いが鼻腔を差した。
疎らになった気の影に泉が見える。
冷たく澄んだきれいな水だった。
思わず疲れにひとくち水をすすれば甘く美味い水。
警戒も忘れて足も浸してみれば見る見るうちに疲れが消えていく。
このまま向こう岸まで渡ったらどんなに心地よいかもしれない。
そんなことを思ってしばしそのまま思案した。

泉を渡ってみますか?

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